統計解析アプリStaatAppの無料版の使い方について解説します.
無料版で使用できる機能
無料版StaatAppでは以下の機能が使用可能です.
・データ操作機能
・基本統計量
・パラメトリック検定
・正規性の確認(Q-Qプロット,シャピロ・ウィルク検定,コルゴモロフ・スミルノフ検定)
・ロジスティック回帰分析
・決定木
・時系列分析(基本分析・ARIMA)
・グラフの作成
アプリの基本操作
StaatApp基本操作(データの入出力など)は以下のページで解説しています.

基本統計量の算出
ツールバーから「基本統計量」→「基本統計量」を選択します.

基本統計量ウィンドウが表示されたら,変数一覧から基本統計量を算出したい変数を選択します.例では「全選択(▶)」ボタンをクリックして全ての変数を選択します.

ツールバーの「解析実行」ボタンをクリックして変数ごとの基本統計量を算出します.以下のように平均値や標準偏差が算出されます.

仮説検定の実行方法
StaatAppではパラメトリック検定であるt検定や分散分析を実行できます.
仮説検定の詳しい実行方法は以下のページで紹介しています.
ロジスティック回帰分析の実行
ロジスティック回帰分析の実行方法は以下のページで解説しています.
決定木を用いた分析の実行
決定木を用いた分析の実行方法は以下のページで解説しています.
時系列分析の実行
時系列分析(ARIMA)の実行方法は以下のページで解説しています.時系列分析機能ではARIMAモデルの作成以外にも,移動平均や自己相関係数の算出・作図,ADF検定を行うことができます.
グラフの作成(散布図行列・ヒートマップ)
メニューバーから「グラフ」→「相関行列・ヒートマップ」を選択します.

グラフ作成ウィンドウが表示されたら,グラフに用いる項目(変数)を選択します.

グラフ選択では作成するグラフを選択します.例ではデフォルトの散布図行列を作成します.
設定が完了したらツールバーの「グラフ作成」ボタンをクリックします.以下のようにグラフが新しいウィンドウに表示されます.ウィンドウの上部メニューで軸設定や画像の保存を行うことが可能です.

ここまでがグラフ作成の基本操作になります.
散布図行列の詳細設定
基本操作に加えて任意の散布図行列を作成するための各詳細設定について説明します.設定項目一覧は以下になります.
設定項目 | 説明 |
カテゴリ分類 | 選択したカテゴリ列の値で,プロットの色分けを行います. |
グラフサイズ | 出力するグラフの大きさを変更します. |
色設定(分類なし) | カテゴリ分類を行わない場合のプロットの色を選択します. |
色設定(分類あり) | カテゴリ分類を行う場合の色を選択します.カラーパレットを用いる方法と,各カテゴリに任意の色を選択する方法があります. |
マーカーの種類 | マーカーの種類を設定します. |
マーカーの透過率 | マーカーの透過率を設定します. |
対角線グラフの種類 | 対角線上に配置されるグラフの種類(ヒストグラム・カーネル密度)を選択します. |
対角線グラフの色 | 対角線上に配置されるグラフの塗りつぶし有無を選択します. |
ヒストグラムのビン数 | 対角線上にヒストグラムを表示する場合のビン数を選択します.ヒストグラムやビン数についてはこちら. |
回帰直線 | 散布図上に回帰直線を表示するか選択します.回帰直線についてはこちら. |
回帰直線の信頼区間 | 回帰直線の95%信頼区間を表示するか選択します. |
回帰直線のスタイル | 回帰直線のスタイルを選択します. |
色の設定では「選択」ボタンをクリックすると,以下のカラーダイアログが表示されて任意の色を選択可能です.

※ 「Add to Custom Colors」をクリックすると,グラフが作成されなくなるため押さないでください.
“性別”でカテゴリ分類と回帰直線の表示を行った設定画面とグラフは以下になります.


”副業有無”でカテゴリ分類と回帰直線の表示を行った設定画面とグラフは以下になります.(上のグラフとその他の設定を変えています.)


ヒートマップの詳細設定
任意の相関行列のヒートマップを作成するための各詳細設定について説明します.設定項目一覧は以下になります.
設定項目 | 説明 |
相関係数の種類 | 算出する相関係数の種類を選択します.相関係数の種類についてはこちら. |
相関係数の表示 | ヒートマップ上に相関係数を表示するか選択します. |
カラーマップ | 使用するカラーマップを選択します. |
カラーマップの中心 | カラーマップの中心を0に設定するか選択します.. |
枠線の太さ | 枠線の太さを設定します.初期設定の”0”では枠線は表示されません. |
ヒートマップの設定と作成例です.


ヒートマップの設定と作成例の2つ目です.カラーマップに「seismic」,カラーマップの中心を「0に設定する」をチェックすることで,相関係数の絶対値が大きいほど色が濃くなるヒートマップを作成することが可能です.


補足① 統計アプリStaatAppとは
StaatAppは計算仮定が複雑な解析手法を,誰でも手軽に素早く行なうことができるアプリです.StaatAppの詳細は以下のページをお読みください.
補足② 散布図行列とは
散布図行列とは多変量分析の最も基本的な手法になります.扱うデータごとの相関関係を調べることができます.各変数の相関関係は重回帰分析などの多変量解析を行う際に重要な情報となります.
論文などでも多変量解析に用いた値の特徴を示すためによく用いられます.
補足③ アプリの仕様について
アプリではPythonのseabornライブラリを用いてグラフ作成を行っています.seabornはPythonでグラフ作成を行なう際に使用される一般的なライブラリです.
以下の公式ドキュメントに詳細な仕様が記載されています.
補足④ 起動時に発生するエラーについて
StaatAppを起動した際に,以下の画面が表示されて起動しない場合があります.

原因は起動しているユーザ名に日本語が含まれているためです.対応方法は以下のページで紹介しています.