StaatAppで重回帰分析を行う方法を紹介します.SaatAppではCSVファイルやExcelファイルを読み込み,クリック操作だけでロジスティック回帰分析を行うことができます.
アプリの基本操作
StaatApp基本操作(データの入出力など)は以下のページで解説しています.
分析例として用いるサンプルデータは以下のようになります.
重回帰分析の実行方法
① 重回帰分析の選択
メニューバーから「多変量解析」→「回帰」→「重回帰分析」を選択します.
② 目的変数の選択
重回帰分析用のウィンドウが表示されたら,目的変数のコンボボックスからの対象とする変数名を選択します.
③ 説明変数の選択
説明変数は未選択欄に表示されてる変数名をクリックして選択します.
ダミー変数を選択する際は,多重共線性の問題を回避するために1列分を除いて選択します.(サンプルデータにはダミー変数はありません.)
④ 解析の実行
設定が完了したらツールバーの「モデル作成」ボタンをクリックして重回帰分析を実行します.実行結果は以下のように画面右側に表示されます.
解析結果は以下のように新しいウィンドウで表示したり,クリップボードにコピーすることが可能です.
ステップワイズ法(応用)
選択した説明変数からステップワイズ法(増減法)で変数を自動選択する場合は,「変数の選択方法」のオプションで,ステップワイズ法をクリックしてから「モデルの作成」を行います.
ステップワイズ法で使用するモデルの評価基準は,赤池情報量規準(AIC)もしくはベイズ情報量規準(BIC)から選択可能です.
※ ステップワイズ法はある程度説明変数が多い場合に有効で,サンプルデータでは全ての説明変数が含まれる場合が最もAICが小さくなるため,ステップワイズ法によって説明変数は抽出されません.
予測精度の評価(応用)
作成したモデルに対して,予測精度の評価を行う場合は「評価」タブで行います.事前にテストデータをモデル作成とは別のデータに入力しておき,「テストデータの選択」で対象のデータを選択します.
「算出」ボタンをクリックすると以下のように各評価指標と混合行列が表示されます.
※ テストデータには説明変数で選択した変数名(列名)を含む必要があります.
残差プロットは「作成」ボタンをクリックすることで表示することができます.モデル作成に用いたデータに対して残差プロットを作成する場合は,テストデータにアクティブデータを設定してください.
予測値の算出(応用)
作成したモデルを用いて予測値の算出を行います.「予測」タブから「予測用データの選択」を行い「算出」ボタンをクリックします.
※ 予測用データには説明変数で選択した変数名(列名)を含む必要があります.
自動考察
重回帰分析の解析結果について自動考察を行なうと,モデルの適合度と説明変数ごとの統計量について,以下のような考察結果を得ることができます.
説明変数や統計量についてさらに詳しく知りたい場合は,追加解説機能で回答を得ることができます.以下は”年齢”について,追加解説を出力した例になります.
補足① 重回帰分析について
重回帰分析についての解説は,以下のページでより詳しく解説しています.
補足② 統計アプリStaatAppとは
StaatAppは計算仮定が複雑な解析手法を,誰でも手軽に素早く行なうことができるアプリです.StaatAppの詳細は以下のページをお読みください.
補足③ アプリの仕様について
アプリではPythonのScipyライブラリに含まれる,statsmodelsモジュールを用いて重回帰分析を行っています.statsmodelsはPythonで統計解析を行なう際に最も一般的なモジュールです.
以下の公式ドキュメントに詳細な仕様が記載されています.