StaatAppで多項ロジスティク回帰分析を行う方法を紹介します.SaatAppではCSVファイルやExcelファイルを読み込み,クリック操作だけで多項ロジスティク回帰分析を行うことができます.
StaatAppについては以下をご覧ください.
データの読込・操作
① アプリの起動からデータの読込
ダウンロードしたStaatAppの起動からデータの読込までの基本操作は以下のページで解説しています.
分析で用いるサンプルデータは以下のようになります.”副業有無”と”結婚”の2つの項目はデータ作成時点でダミー変数としていますが,StaatAppでダミー変数に変換することも可能です.(副業有→”1″,既婚→”1″)
目的変数に設定する項目(性別)はカテゴリーデータ(文字列)とします.
多項ロジスティック回帰分析の実行
① 分析用ウィンドウの表示
メニューバーから「多変量解析」→「回帰」→「多項ロジスティック回帰分析」を選択して多項ロジスティック回帰分析用ウィンドウを表示します.
② 変数の選択
多項ロジスティック回帰分析用ウィンドウが表示されたら,目的変数と説明変数の設定を行います.
ダミー変数を選択する際は,多重共線性の問題を回避するために1列分を除いて選択します.
③ 解析実行と結果表示
設定項目に入力が完了したら,ツールバーの「解析実行」ボタンをクリックします.「解析結果」に多項ロジスティック回帰分析の結果が出力されます.
多項ロジスティク回帰分析では目的変数の”カテゴリー数-1″だけ回帰式が作成されます.例では性別の”無回答”と”男性”カテゴリーに対する回帰式が作成されています.1つのカテゴリーは参照カテゴリーとして自動で設定されます.
※ 説明変数に対してサンプルサイズが小さすぎると,回帰式が作成できず結果は出力されません.
結果は対数尤度に加えて,回帰式ごとの各説明変数の統計量が出力されます.各説明変数の統計量は以下のように新しいウィンドウで表示することや,クリップボードにコピーすることが可能です.
補足① 統計アプリStaatAppとは
StaatAppは計算仮定が複雑な解析手法を,誰でも手軽に素早く行なうことができるアプリです.StaatAppの詳細は以下のページをお読みください.
補足② アプリの仕様について
アプリではPythonのScipyライブラリに含まれる,statsmodelsモジュールを用いてロジスティック回帰分析を行っています.statsmodelsはPythonで統計解析を行なう際に最も一般的なモジュールです.
一般化線形モデルを作成する際は,mnlogit関数を用いています.
以下の公式ドキュメントに詳細な仕様が記載されています.
》多項ロジスティック回帰分析公式ドキュメント(statsmodels)
補足③ 多項ロジスティック回帰分析とは
多項ロジスティック回帰分析とは,複数の要因(説明変数)から結果(目的変数)が起きる確率を説明・予測する統計的手法になります.
多項ロジスティック回帰分析と似た手法として,重回帰分析があります.重回帰分析との違いは目的変数になります.多項ロジスティック回帰分析では目的変数がカテゴリーデータの場合に用いることができます.目的変数がカテゴリーデータかつ2値の場合はロジスティク回帰分析を行います.結果の見方はロジスティック回帰分析とほとんど同じです.
目的変数が量的変数である場合は,重回帰分析を行います.
その他の多変量解析については,以下のページで詳しく解説しています.
補足④ 起動時に発生するエラーについて
StaatAppを起動した際に,以下の画面が表示されて起動しない場合があります.
原因は起動しているユーザ名に日本語が含まれているためです.対応方法は以下のページで紹介しています.