Pythonを用いた統計解析の方法やメリットについて徹底解説します.
統計解析用のプログラミング言語として,広く使用されるRとの比較も行っています.
Pythonとは
Pythonとは1991年にオランダ人のGuido van Rossumというプログラマーによって開発されたプログラミング言語です.
組み込み開発や、Webアプリケーション、デスクトップアプリケーション、人工知能開発、ビッグデータ解析など様々な場面で使われており,グローバルでメジャーなプログラミング言語になります.
Pythonを使う最も大きなメリットは,使用者・開発者が多いことによる情報の調べやすさと豊富なライブラリの存在になります.要するに使う人(特に初めてプログラミングをする人)にとって,比較的簡単にプログラムを作成して実行できるプログラミング言語になります.
Python × 統計解析の相性
数あるプログラミング言語の中で,統計解析に使われるプログラミング言語のほとんどがRもしくはPythonになります.
以下の論文によると,データ分析者の求人として最も必要とされているプログラミング言語がPythonになります.つまり,Pythonはデータ分析で最も使用されるプログラミング言語と言えます.
学術論文では最も使われているプログラミング言語はRで約5万本になります.Pythonの論文数は約2万本で,2位になります.
Pythonが統計解析で使われる最大の理由が,統計解析に必要なライブラリが豊富にあることです.ライブラリを利用することで,統計解析に必要な計算式を全て自分で書く必要はなく,簡単にプログラムを作成することができます.
R言語においても統計解析に必要なライブラリが豊富にありますが,Pythonは一度学べば統計解析以外にも応用が効く言語なので学習メリットとしてはRより高いと言えます.実際にプログラムを実行するまで(実行環境の構築)の難易度は若干Rのが低いですが,一度動せるようになれば難易度は変わりません.
ライブラリとはいくつかのプログラムファイルをまとめたファイルのことで,自分で作成したプログラムから呼び出すことでデータから解析結果を数行程度の記述で求めることができます.
Pythonでは,Numpy・Pandas・Scipyといったライブラリを利用することで,統計解析を簡単に行うことができます.
Pythonで統計解析を行う方法
Pythonで統計解析を行うためには,以下の2つを行う必要があります.
① 実行環境の構築
② プログラムの作成
① 実行環境の構築
実行環境とは作成したプログラムを実際に動かして,結果を得るための環境ことです.環境とは簡単に説明するとコンピュータを意味します.
プログラムは人間が理解できる規則に従って記述するテキストデータです.プログラムを動かすためには作成したテキストデータを機械語(バイナリデータ)に変換して,変換した命令文にある計算をコンピュータにさせる必要があります.
これらを行うため準備をすることを実行環境の構築と言います.Pythonでは一般的に,実行環境とプログラムの作成を行うソフトウェアが一緒になった統合開発環境(IDE)を利用します.具体的には以下のような統合開発環境があります.
・Pycharm
・Anaconda
・Jupyter Notebook(クラウド)
Jupyter NotebookはWebアプリケーションであるので,自分のPCにインストールや設定を行わずに使うことができます.プログラム実行までの手軽さで考えると,おすすめの統合開発環境になります.
PycharmやAnacondaは自分のPCにインストールして使う必要があります.個人的にはPycharmが最もシンプルで理解しやすいため一番おすすめの統合開発環境になります.(開発現場ではPycharmが使われてることが多いです)
② プログラムの作成
プログラムの作成(プログラミング)とは,用いるプログラミング言語に合わせた規則に従ってテキストを記述することです.
プログラミングを行うためには用いるプログラミング言語の記述規則を知る必要があります.Pythonで統計解析を行う際に,最も懸念されがちなのがこの学習コストになります.
結論から言ってしまうと,Pythonで統計解析を行うための記述例は本サイトを含めてインターネット上に多くの情報があります.実行環境さえあれば,それらの記述例をそのままコピペして一部を自分のデータに合わせて変えるだけで,簡単に結果を得ることができます.
統計解析だけ行いたいのであれば,一からPythonを学ぶ必要は無くわからない部分だけググるで十分可能です.
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本サイトの解説ページ一覧
本サイトでは統計解析の中でも,主要な多変量解析の記述例や結果の見方を紹介しています.多変量解析は計算手順が非常に複雑で,手計算やExcelでは難しい統計解析になります.
解説している統計解析は以下になります.
統計解析の前段階であるデータクレンジングの方法も解説しています.
多変量解析についてや手法の選択方法は以下のページで解説しています.
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