任意のExcelファイルやCSVファイルからクロス集計表の作成から分析まで可能な統計解析アプリStaatAppの使い方について解説します.クロス集計表の分析では以下の4つが実行可能です.
・カイ二乗検定
・フィッシャーの正確確率検定
・クラメールの連関係数
・オッズ比とリスク比
・コレスポンデンス分析
クロス集計表分析アプリは以下のページから入手できます.
》アプリ(Windows版)の購入
》統計解析アプリStaatAppとは
動画で紹介

データの読込・操作
① アプリの起動からデータ入力
ダウンロードした「StaatApp_for_Cross_tabulation」の起動からデータの入力までの基本操作は以下のページで解説しています.
読み込ませたサンプルデータは以下のようになります.説明のため見切れていますが,300行ほどのデータになります.

② データの操作方法
読み込んだデータの操作方法(データクレンジング)は以下のページで紹介しています.
クロス集計の実行方法
① クロス集計用ウィンドウの表示
メニューバーから「その他」→「クロス集計表」を選択します.
☀マークが実行可能な統計解析です.基本統計量も算出可能です.

② 集計項目の設定
クロス集計表用のウィンドウを表示したら,表側と表頭の項目の設定を行います.例では表側に”属性”の列を,表頭に”副業”の列を設定しています.

③ クロス集計表の作成
設定が完了したら,ツールバーの「解析実行」ボタンをクリックすることで以下のようにクロス集計表が作成されます.(説明の都合上画像が見切れていますが,表示領域を拡大することも可能です.)

作成したクロス集計表はツールバーの「CSV出力」ボタンをクリックすることで,CSVファイルとして保存することもできます.
カイ二乗検定・フィッシャーの正確確率検定の実行
① カイ二乗検定用ウィンドウの表示
クロス集計表ウィンドウのメニューバー「分析」→「カイ二乗検定」を選択します.

② カイ二乗検定の実行
カイ二乗検定用のウィンドウが表示されたらツールバーの「解析実行」ボタンをクリックします.以下のように検定統計量とp値,クラメールの連関係数(効果量)が表示されます.

③ フィッシャーの正確確率検定の実行
フィッシャーの正確確率検定はカイ二乗検定と同じ手順で実行可能です.フィッシャーの正確確率検定は2×2クロス集計表に対してのみ実行できるので注意してください.今回紹介したようなクロス集計表に対しては実行できません.
オッズ比とリスク比
オッズ比とリスク比も2×2クロス集計表に対してのみ実行可能です.解析結果には,95%信頼区間(95%CI下限,95%CI上限)も算出されます.

コレスポンデンス分析の実行方法
コレスポンデンス分析を実行する場合は,クロス集計表ウィンドウのメニューバーから「分析」→「コレスポンデンス分析」を選択します.

以下のように項目間の類似度を示した散布図が表示されます.

表示されたグラフ上部のメニューを選択することで,メモリや軸ラベルの設定,画像の保存を行うこともできます.
補足① 統計アプリStaatAppとは
StaatAppは計算仮定が複雑な解析手法を,誰でも手軽に素早く行なうことができるアプリです.StaatAppの詳細は以下のページをお読みください.
補足② クロス集計表の分析方法について
クロス集計表の分析方法であるカイ二乗検定などについては以下のページに解説しています.
補足③ アプリの仕様について
アプリではPythonのScipyライブラリに含まれる,statsmodelsモジュールを用いてカイ二乗検定およびにフィッシャーの正確確率検定を行っています.
statsmodelsはPythonで統計解析を行なう際に最も一般的なモジュールです.
以下の公式ドキュメントに詳細な仕様は記載されています.
➔ カイ二乗検定公式ドキュメント(statsmodels)
➔ フィッシャーの正確確率公式ドキュメント(statsmodels)
➔ コレスポンデンス分析公式ドキュメント(mca)
補足④ 起動時に発生するエラーについて
StaatAppを起動した際に,以下の画面が表示されて起動しない場合があります.

原因は起動しているユーザ名に日本語が含まれているためです.対応方法は以下のページで紹介しています.