統計アプリ

【StaatAppで行う】構造方程式モデリング

StaatAppで構造方程式モデリングを用いた分析を行う方法を紹介します.SaatAppではCSVファイルやExcelファイルを読み込み,クリック操作だけで構造方程式モデリングを行うことができます.

StaatAppについては以下をご覧ください.

》統計解析アプリStaatAppとは

アプリの基本操作

StaatApp基本操作(データの入出力など)は以下のページで解説しています.

》StaatAppの基本操作

分析例として用いるサンプルデータ(タイタニック号データ)は以下のようになります.

構造方程式モデリングのサンプルデータ

構造方程式モデリング用の実行

メニューバーから「多変量解析」→「構造方程式モデリング」を選択して構造方程式モデリング用ウィンドウを表示します.

構造方程式モデリングの選択

構造方程式モデリング用ウィンドウは,以下のような構成となっています.変数選択エリアで,変数名を選択してモデル式を追加します.

モデル式表示・記述エリアでは追加したモデル式が表示されます.モデル式表示・記述エリアでは自由に入力ができるので,テキストを修正したりコピー&ペーストすることが可能です.

例えば,測定モデリング(回帰関係)のモデル式を追加する場合は,「目的変数」と「説明変数」を選択して,「追加」ボタンをクリックすると以下の用にモデル式に追加されます.

測定方程式の追加

構造モデリング(潜在変数)を追加する場合は,潜在変数名を入力して,「観測変数」を選択してから「追加」ボタンをクリックします.

構造モデリングの定義

残差相関(共分散関係)を追加する場合は,変数を選択して「追加」ボタンをクリックすると,選択した変数の全ての組み合わせについてのモデル式が追加されます.

残差相関の定義

モデル式の追加・記述が完了したら,ツールバーの「モデル作成」ボタンをクリックすると以下のようなパス図が表示されます.

パス図

パス図において四角形のノードが観測変数を示し,円のノードが潜在変数を示します.また,点線の両矢印は共分散関係を示します.

※ RのLavaanパッケージと同等の表示内容です.

モデル式の記述方法

モデル式の記述方法は,構造方程式モデリングで最も使用されているRのLavaanパッケージと同じです.

記述方法は以下のページで,丁寧に紹介されているのでお読みください.

Lavaanチュートリアル(関西大学)

StaatAppのモデル式表示・記述エリアは,測定モデリングと構造モデリング,残差相関に分かれていますが,どれかの表示・記述エリアに正しくテキストを入力すれば解析されます.テキストエディターなどでモデル式を作成して,コピペする場合は適当なエリアに貼り付けてください.

多母集団同時解析

多母集団同時解析を行なう場合は,「オプション」の「多母集団」から多母集団を示す属性が入力された列を選択してください.

多母集団同時解析を行なうと,選択した属性の種類数だけモデリングされパス図が表示されます.

適合度・パラメータの表示

モデルの適合度やパラメータを表示する場合は,「オプション」の「適合度・パラメータの表示」にチェックを入れてください.

チェックを入れた状態で,モデル作成を行なうと以下のような結果用ウィンドウが表示されます.

適合度の表示

※ パス図のエッジ付近に表示される値は,パラメータの推定値とp値になります.

パス図の設定

パス図の表示設定を変更する場合は,設定ボタンをクリックして,以下のようなグラフ設定用ウィンドウで変更します.

パス図の設定

パス図のレイアウト(ノードの配置)を変更する場合は,「全体」の「レイアウト」で変更します.パス図はレイアウトの設定に加えて,モデル作成時にある程度ランダムな配置で作成されるので,好みのレイアウトにならない場合は,モデル作成を繰り返し行ってください.

補足① 共分散構造分析(構造方程式モデリング)とは

共分散構造分析とは

共分散構造分析(CSA;Covariance Structure Analysis)は,因子分析重回帰分析を組み合わせたような分析手法です.因子分析では共通因子を見つけ出すということが可能でしたが,共分散構造分析では潜在変数(因子)間での関係性(赤矢印)についても調べることができます.

特に心理学の研究や,マーケティング分野でデータの背景にある関係性を調べるために用いられます.

》共分散構造分析とは

補足② 統計アプリStaatAppとは

StaatAppは計算仮定が複雑な解析手法を,誰でも手軽に素早く行なうことができるアプリです.StaatAppについては以下のページで紹介しています.

》統計解析アプリStaatApp

統計解析アプリStaatApp

補足③ アプリの仕様について

アプリではPythonのSemopyライブラリを用いて構造方程式モデリングを行っています.

以下の公式ドキュメントに詳細な仕様が記載されています.

・GPBoost(構造方程式モデリング)