徹底解説

フォレストプロット

フォレストプロットとは

フォレストプロットとは

フォレストプロットとは,メタアナリシスにおいて複数の研究から得られた結果を視覚的に表現するためのグラフです.このプロットは,異なる研究の効果量とその信頼区間を一目で理解できるように設計されています.

フォレストプロットの構成要素

フォレストプロットの構成要素

フォレストプロットのプロット部分は,上記のような要素で構成されています.オッズ比を例として各要素について紹介します.

研究ごとに効果量(オッズ比)をプロットします.マーカーは正方形がよく用いられ,正方形の大きさが統合効果に対する影響の大きさ=重みを表します.マーカーが大きいほど重みが大きいことを意味します.

プロットから左右に伸びるエラーバーは,各効果量の信頼区間を示します.

最終行には統合効果(固定/変量効果モデル)をひし形マーカーをプロットして,ひし形の横幅で信頼区間を示すことが多いです.統合効果の値は,y軸に平行な点線として各研究の効果量と比較しやすいように描画されます.

基準線は効果量の種類によって値が異なりますが,オッズ比やリスク比であればx=1に,リスク差や平均差であればx=0の位置に引かれます.

フォレストプロットの解釈例

フォレストプロットからは,以下のような情報を読み取ることができます.

① 各研究の効果量と信頼区間

各研究・論文の効果量と信頼区間を比較して見ることができます.例えば,効果量がオッズ比である場合,信頼区間が基準線(x = 1)を跨いでいるかどうかで統計的有意を判断することができます.信頼区間が基準線を跨いでいる場合,その研究で検証した効果(治療法など)は統計的に有意な効果があったと判断することができます.

② 統合効果

最下部のプロットから統合的な効果量を評価することができます.各研究における効果量と同様に,オッズ比であれば基準線をプロットが跨いでいるかどうかで,研究全体として統計的に有意であるか判断することができます.

③ 異質性の評価

異質性が高い場合,研究間でプロット(効果量)に大きなばらつきが見られます.このばらつきは,異なる研究設定,対象者の特性,治療の実施方法などに起因する可能性があります.異質性の評価は,フォレストプロットに記載されることが多い,異質性検定の結果からも評価することができます.

》オッズ比と信頼区間

フォレストプロットの作り方

フォレストプロットは,統合効果の算出や重みに比例したプロットが必要なため,Excelなどの表計算ソフトで作成することは難しいです.フォレストプロットはRやPythonなど,メタアナリシスを実行できる統計用ソフトで作成されます.

統計解析アプリStaatAppでは,分析対象のデータを読み込み,クリックするだけで簡単にメタアナリシス・フォレストプロットの作成をすることができます.

》StaatAppを用いたフォレストプロットの作成
》統計解析アプリStaatApp

統計解析アプリStaatApp

フォレストプロットとメタアナリシス

フォレストプロットはメタアナリシスの結果を示すためにほぼ必ず用いられ,メタアナリシス≒フォレストプロットの作成という認識でも強ち間違いではありません.

フォレストプロットの最下段に表示する統合効果や,異質性を含めてメタアナリシスについての詳細は以下のページで紹介しています.

》メタアナリシスとは