任意のExcelファイル・CSVファイルからパラメトリック検定を行うアプリ(StaatApp)の使い方について解説します.
パラメトリック検定アプリは以下のページから入手できます.
》アプリ(Windows版)の購入
》統計解析アプリStaatAppとは
パラメトリック検定アプリで使用できる機能
パラメトリック検定用のStaatAppでは以下の機能が使用可能です.
・データ操作機能
・基本統計量
・対応のないt検定
・ウェルチのt検定
・対応のあるt検定
・一元配置分散分析
・反復測定分散分析
・多元配置分散分析
・テューキー・クレーマー法
・正規性の確認(Q-Qプロット,シャピロ・ウィルク検定,コルゴモロフ・スミルノフ検定)
・等分散性の確認(F検定,バートレット検定,ルビーン検定)
・ヒストグラムの作成
データの読込・操作
① アプリの起動からデータ入力
ダウンロードした「StaatApp_for_Parametric.exe」の起動からデータの読込までの基本操作は以下のページで解説しています.
読み込ませたサンプルデータは以下のようになります.社会人21人を対象に属性や年収などを調査したとする架空のデータになります.

② データの操作方法
読み込んだデータの操作方法(データクレンジング)は以下のページで紹介しています.
対応のないt検定の実行方法
① 対応のないt検定の選択
メニューバーから「仮説検定」→「パラメトリック検定」→「対応のないt検定」を選択します.
※ ☀マークが実行可能な統計解析です.

② 変数の選択
対応のないt検定用ウィンドウが表示されたら,検定対象の変数(列)を選択します.例では”副業有無”によって”収入”に違いがあるかを調べるために,以下のように変数を選択します.

③ 検定の種類選択
デフォルトでは両側検定が選択されています.「群Aが群Bより大きい」ことを比較したい場合は右側検定を選択します.
④ 検定の実行と結果の表示
設定が完了したら,ツールバーの「解析実行」ボタンをクリックします.検定結果から,「副業をしている人としていない人で年収に差がある」ことがわかります.

多元配置分散分析の実行方法
① 要因・データ列の選択
多元配置分散分析用ウィンドウを表示したら,データ列と変数(項目列)を選択します.変数で2項目選択した場合は2元配置分散分析が,3項目選択した場合は3元配置分散分析が実行されます.
例では”副業有無”と”性別”の2つの要因による”収入”の影響・交互作用を調べるために,以下のように要因・変数を選択して2元配置分散分析を実行します.

② 解析実行と結果の表示
設定が完了したら,ツールバーの「解析実行」ボタンをクリックします.解析結果の「副業有無:性別」は交互作用を示します.解析結果から「副業有無と性別に交互作用がない」ことがわかります.

その他の解析結果の見方や二元配置分散分析の考え方は以下のページで解説しています.
テューキー・クレーマー法の実行方法
テューキー・クレーマー法の実行方法は以下のページで解説しています.
正規性の確認方法
※ 本機能は無料版StaatAppでも実行可能です
① 要因・データ列の選択
正規性の確認用ウィンドウを表示したら,対象の変数(列)を選択します.”収入”の母集団が正規分布に従うか調べるために以下のように設定します.

② 正規Q-Qプロットの作成
確認方法で正規Q-Qプロットを選択して,「解析実行」ボタンをクリックすると以下のような正規Q-Qプロットが作成されます.

作成されたグラフは上部のメニューから画像として保存することも可能です.
③ シャピロ・ウィルク検定の実行
確認方法でシャピロ・ウィルク検定を選択して,「解析実行」ボタンをクリックすると画面右側にシャピロ・ウィルク検定の検定統計量とp値が出力されます.

同様の方法で正規分布と比較する1標本のコルモゴロフ・スミルノフ検定も実行可能です.
等分散性の検定の実行方法
① 変数の選択
等分散性の検定用ウィンドウを表示したら,検定対象の変数を選択します.例では副業有無の違いによって収入の分散に差があるかを検定します.

② 検定方法の選択
検定方法はF検定・バートレット検定・ルビーン検定から選択することができます.2群の比較を行うときはF検定,3群以上の比較を行うときはバートレット検定が一般的に行われます.ルビーン検定は3群以上かつ正規性の仮定が不要な検定方法です.
例では2群の比較のためF検定を選択します.
③ 検定の実行と結果の表示
設定が完了したらツールバーの「解析実行」ボタンをクリックします.以下のように検定統計量とp値が表示されます.「副業有無によって収入の分散に差があるとは言えない」ということがわかります.

補足① 統計アプリStaatAppとは
StaatAppは計算仮定が複雑な解析手法を,誰でも手軽に素早く行なうことができるアプリです.StaatAppの詳細は以下のページをお読みください.
補足② パラメトリック検定について
パラメトリック検定は「データの母集団が正規分布に従う」場合に行う仮説検定です.「データの母集団が正規分布に従う」と仮定できない場合は,ノンパラメトリック検定を行います.
》正規性の確認方法
》検定方法の選び方
》ノンパラメトリック検定
パラメトリック検定の各手法については以下のページで解説しています.
》対応のないt検定
》ウェルチのt検定
》対応のあるt検定
》分散分析
》テューキー・クレーマー法
補足③ アプリの仕様について
アプリではPythonのScipyライブラリのstatsモジュールとMatplotlib用いて各検定・グラフ作成を行っています.Scipyライブラリ・MatplotlibライブラリはPythonで統計解析・グラフ作成を行なう際に使用される一般的なライブラリです.
以下の公式ドキュメントに詳細な仕様が記載されています.
➔ Scipy.statsの公式ドキュメント
➔ Matplotlibの公式ドキュメント
補足④ 起動時に発生するエラーについて
StaatAppを起動した際に,以下の画面が表示されて起動しない場合があります.

原因は起動しているユーザ名に日本語が含まれているためです.対応方法は以下のページで紹介しています.